Δ短編

時計の見せる夢は

 キーフリーの傷口が塞がり、ココが一人で図書の塔へ飛び出していった翌日。大講堂を後にする前にと、ココ達はそれぞれ分かれて買い物をしていた。  「はい、ちょうどお預かりしました。これが商品ね」 「ありがとうございます!」  とんがり帽子を被っ…

スターライト

 ごろごろ、ごろごろ。 何度も寝返りを打つ。その度に巻き込まれる毛布の皺を引っ張って、私は目を開けた。  「……眠れない……」 カーテンから零れる星明かりが、やけに眩しく見える。隣でフデムシが心地よさそうに丸まっているのが少し恨めしい。 ど…

SHEEP

 やってしまった。 ナイトテーブルの引き出しを開けたキーフリーは目的の物が無いことを確認すると溜息をついた。時刻は午前一時、いつもキーフリーが睡眠薬を飲んでいる時間だ。弟子達はもうとっくに眠りについていて、真夜中のアトリエはしんと静まり返っ…

ビスケットとチョコレート

ある日の午後。キーフリーは自室のソファに寝転がって本を読んでいた。優雅な休日のひと時だ。ここのところ大講堂での仕事が溜まっていて中々本を読む時間が取れておらず、読もうと思って“積ん読”していた本がだいぶ溜まっていた。最後の一ページを読み終え…

White Box

 一度混ざった毒は取り除けない。    昼過ぎの空は雲ひとつなく晴れ渡っていた。暖かな日差しが、レンガ造りの街並みに降り注ぐ。 「ん〜楽しかった!」 魔材屋から出たココは、上機嫌で紙袋を胸に抱いてくるりと回った。その愛らしい様子にキーフリー…

ココのクリスマス

 夜のアトリエに暖炉の爆ぜる音がする。食事を終えて二時間ほどが過ぎ、リビングに残っているのはキーフリーとココだけだった。他のアトリエの面々は自室に戻っている。大方、魔法の練習をするか、数日後のクリスマスに向けてサンタへの手紙を書いているとこ…