うらみち

水筒でもよくやる

 テーブルの上に牛乳パックが出ている。プロテインを作るのに使った残りの分だ。 冷蔵庫にしまおうとパックを持ち上げると、思ったより量が残っていないことに気がついた。これなら飲み切ってしまったほうが良い。 とはいえ、プロテインを飲んだばかりで胃…

AI

 午後2時の駅前。待ち合わせ場所に現れた彼女を見て、俺ははっと目を見開いた。 「その服可愛い」 「ほんと? ありがとー」 デートにおいて彼女の服を褒めるというのは鉄則中の鉄則だが、別に俺はご機嫌取りのために褒めたわけではない。 可愛かったの…

この世で最も無価値で価値のある質問

 「ねーえっ」 女向けの服屋でぼーっと突っ立っていた俺は、彼女の声を聞いてはっと我に返った。 嫌な予感がする。 案の定、彼女は二着の服をそれぞれの手に持って、にこにこと俺の前に立っていた。 「こっちとこっち、どっちが好き?」 来たか……。 …

うらみちくんのはつこい

 生まれた時から当たり前のように体操選手になる夢を持たされていた俺は、物心付く前から当然のように体操を習わされていた。 その体操教室に、あの子がいた。 俺と同じ育成コースに通っていたあの子は、年齢も通う幼稚園も違ったが、教室で毎日顔を突き合…

キュートアグレッション

 彼女を見ていると、無性にムカつく時がある。  そう言うと俺がDVを振るうクズ野郎のように聞こえてしまうかもしれないが、俺は決して愛する人に手を挙げるような真似はしていない。彼女の要領が悪いとか、あざといぶりっ子だとか、そんなこともない。 …