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忘れてはいない

 「コトブキムラに忘れ物をした?」 ショウが聞き返すと、ウォロはこくりと頷いた。エイパム山の方から内海に向かって吹く風が、二人の髪を優しく靡かせていた。   シンオウ神殿で二人が対決したあの日から、もう二年近くが経とうとしていた。それはつま…

女神撃墜

 久しぶりに会った彼女は、ぞっとするほど美しくなっていた。    ショウに敗北して以来、ウォロは一人で黙々と神話の研究を進めていた。ヒスイ地方のあらゆる箇所を巡り、時には海の向こうにまで足を伸ばした。資料が集まり、調査のためにもう一度シンオ…

だいきらい

 思わず舌打ちが出た。 目の前でポケモンに襲われそうになっているのは、自分がこの世で最も目にしたくない少女だった。右足を押さえ、ポケモンボールを出すことも忘れたまま、目を見開いて猛獣の前にしゃがんでいる。 どうせ、足を挫いて動けなくなってい…